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病理専門医研修に興味のあるみなさんへ

​病理学とは

病理とは,病気の原因や発生機序の解明や,病気の診断を確定することを目的とする分野で,ふたつの面を有しています.ひとつは,基礎医学としての病理学,もう一つは,医療としての病理診断学です.医学と医療というふたつの側面をもつ病理は,両者をつなぐ橋渡し役です.

病理の基本は,いうまでもなく,形態学,すなわち,「みたらわかる」というシンプルな手法を主体としています.

 

臓器の構造は,その臓器特異的な機能をあらわしており,細胞の形態は,その細胞の分化成熟度をあらわしています.分子の細胞内局在は,その分子の機能を規定しています.機能の違いは,形態の違いとして現れます.

 

私たち病理医は,「みること」で病気の本質に迫ろうとしています.形態の違いを観察し,体のなかで,何が起きているのか推察するのです.病気の正体を知らなければ,根拠に基づいて正しい治療はできません.現代医療の現場では,病理医は,なくてはならない存在なのです.

 

目の前に患者さんはいません.その手で直接治療することもありません.直接,笑顔で「ありがとう」をいわれることもありません.

 

しかし,1枚の標本の向こうには,必ず,患者さん(や,臨床医)がいます.その人の笑顔のために,的確な診断をしなければならないのです.

 

いま、その一歩を踏み出そう

さらに,その先には,目の前にいない多くの患者さんがいます.その人たちの笑顔のために,基礎研究をするのです.病気の本質に迫ることは,多くの笑顔を産み出すための確実な1歩となるのです.

 

病理医への門戸は,常に開かれています.今すぐでなくてもかまいません.やってみようと思ったときがスタートのときです.あなたも,自分自身の足で,1歩を進めてみませんか.

 

その先の道へ.北の大地,北海道でお会いしましょう.

 

札幌医科大学について

札幌医科大学は,北海道札幌市にある医科大学です.札幌医科大学医学部病理学教室は,病理学第一講座,病理学第二講座,病理診断学(札幌医科大学附属病院病理診断科)の三部門からなり,三部門合同で教室運営が行われる日本でも珍しい病理学教室です.

 

札幌医科大学の建学の精神である「医学・医療の攻究と地域医療への貢献」のもと,本学病理学教室では,各講座がバリアフリーな環境を構築して,教育,研究,医療を実践しています.

 

専攻医は,基礎実験病理から外科病理診断まで,幅の広い「病理学」を経験,修練することができ,多様な病理医と接しながら,広い視野から「病理医」としての生き方を選択することが可能です.

私たちの研修プログラムでは,札幌医科大学附属病院を基幹施設とし,札幌医科大学医学部病理学教室が,北海道内各地にある連携施設群とともに,経験の豊富な指導教官による丁寧な指導のもと,質・量ともに充実した多彩な症例を経験することができる研修環境を構築しています.

 

1人の専攻医に対して,複数の指導医が指導と評価を行うことにより,専攻医の技能習得状況を,客観的,かつ,正確に把握します.そのうえで,専攻医の能力に合わせ,過不足のない業務負荷や指導を行い,他科臨床医と協調しながら,診療の中核を担える人間性豊かな病理専門医を確実に育てることをめざします.

 
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病理専門プログラムの目標

病理専門医は,病理学の総論的知識と各種疾患に対する病理学的理解のもと,医療における病理診断(生検と手術標本の組織診,細胞診,病理解剖)を的確に行い,臨床医との相互討論を通じて,医療の質を担保するとともに,患者を正しい治療へと導くことを使命としています.

 

この使命を果たす人材を育成するために,研修プログラムでは,病理診断技能のみならず,臨床検査技師や他科臨床医との密接なコミュニケーション能力を養うことで,診療現場において他科医師や医療スタッフと協調し,診療の中核を担える実践的な病理専門医の育成を目標としています.

 

同時に,研究活動を通じて医学・医療の発展に寄与するとともに,教育研究機関における教育職や研究職など,幅広い進路に対応可能な病理医としての技能と経験の習得を目標とします.

 

専攻医は,生検や手術材料の病理診断,細胞診診断,病理解剖などの病理医が行う基本的技能の習熟に加え,臨床病理カンファランス,CPC(解剖症例検討会),各種の学術集会に,積極的に参加し,筆頭演者として発表を行うことにより,他科臨床医との連携やプレゼンテーションの実践について学びます.

 

また,基礎,および,臨床研究を通じて,生涯にわたり,研究心と向上心をもって自己学習を続ける姿勢を学びます.

 

最後に

私たちの講座は,いつでも君たちを歓迎します

そして,私たちは,いま,君たちの能力を必要としています

 
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